映画 サウスバウンド で 豊川悦司 アナクロ親父を熱演

映画 「サウスバウンド」 で 豊川悦司 資本主義と闘う「アナクロ親父」を熱演


映画 サウスバウンド で 豊川悦司 アナクロ親父を熱演

直木賞受賞第一作の奥田英朗の小説を映画化した「サウスバウンド」
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この映画では豊川悦司が元学生運動の闘士がそのまま親父になって
家族や学校を振り回す主人公を熱演しています!

いつもと違った “ トヨエツ ” が見られる作品です(^^)/

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原作は直木賞作家、奥田英朗の同名の小説。この作家の「マドンナ」「パティオ」などの短編はストーリーテラーとして上手い。「模倣犯」「間宮兄弟」などの森田芳光が監督・脚本を担当。やはりベテランの森田は、最近のTVディレクター出の監督と比べて上手い。TV系監督の映画はTV局の無料スポットや番組PRのバックアップで興行成績は上回るが、中身が違う。

豊川扮する上原一郎は70年代終わり、成田空港建設の土地収用問題で三里塚闘争を指揮したリーダー。妻となったさくら(天海祐希)は、自分を理解してくれる当時の同士だ。さくらは喫茶店を経営して家計を支えているが、一郎は社会への怒りをそのままに、働いていない。子供は3人。長女の洋子(北川景子)は父に愛想をつかし近くのアパートに移るOLだ。その下の二郎(田辺修斗)は小学校6年生、次女桃子(松本梨菜)は1年生。父親の名が一郎で長男が二郎とは可笑しい。その可笑しい一家の物語。

映画は二郎の視点で描かれる。いじめで二郎たちの金銭を恐喝する中学生と何も対策を講じない学校。父、一郎は役所や学校が義務や責任にかこつけて、年金や税金などを徴収するのに猛反対。訪れた区役所の役人(吉田日出子)に「ナンセンス」と決め付ける。小学校の1泊2日の富士箱根旅行が3万5千円とは海外旅行にでも行ける値段だ、教員と旅行業者の癒着だ、と校長に面会を求めてパトカーが出動する騒ぎ。

学生運動のスピリットを20年近く経った今も引っ張っている特異なキャラクターが巻き起こす騒動の数々は、アナクロ(時代錯誤)で可笑しい。出て来る言葉は先ず「ナンセンス!」。それでお里が知れる。二郎を始め家族はもうたまらない。そこで母、さくらの提案で、父、一郎の故郷の沖縄西表島に移住することを決定する。

後半は海と空と自然の美しい南の島へ移っての展開だが、ここでも資本主義や体制側と戦う父親が大暴れする。父親に引っ張られる家族たちが父の理論が無理だと分かっても、何か説得性があるのを認めて、ついて行く姿を森田は暖かく描く。

「みんな、お父さんを見習うな!お父さんは過激だからな」と父親が子供たちに言い渡す言葉が愉快。「しかし誰かが理解してくれる!」と父親の言い切る姿に母さくらが自分のことだとうなずくシーンは印象的。天海は久しぶりにいい芝居をしている。滅茶苦茶の言動にも筋が通り、周りの理解者に囲まれた家族の姿は現代社会を痛烈に批判している。

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