赤福 を 腐らせた 同族経営
赤福餅よ、おまえもか――。農水省から製造日の偽装表示を指摘された三重の老舗和菓子店「赤福」。浜田典保社長(45)は「私どもの認識不足。消費者を欺こうという考えは一切なかった」と釈明したが、2カ月前には「白い恋人」の賞味期限改ざんが発覚したばかり。
この時点でチェックしなければウソだ。
赤福は主力商品「赤福餅」の「謹製」日付に製造年月日ではなく、製造後に一度冷凍した商品を解凍した日付を表示していた。不正のあった商品は全生産量の約2割に上る。
「長いものでは冷凍後2週間も放置された商品もありました。しかも、一度配送に回した商品を再び冷凍していた疑いまで浮上しています」(農水省関係者)
こうした不正表示は1973年から34年間も常態化してきた。そのくせ、赤福は「製造したその日限りの販売」を商品の最大のウリにしてきたのだ。
赤福は今年が創業300周年。今や年商85億円を誇る企業に発展したが、旧態依然の同族経営がはびこってきた。
「創業来、一度も創業家の浜田一族は経営権を手放したことはない。05年まで37年間にわたり、先代社長の益嗣氏(70=現会長)がワンマン経営を敷き、長男の典保氏が11代目社長を継いだばかり。実質的には益嗣氏の“院政”が続いていました」(地元関係者)
典保社長は慶大卒で三越に入社。その後、赤福に戻った。今年8月、四日市市内の若手経営者が開いた勉強会に参加した時は「企業の法令順守」についてエラソーに語っていた。
関連記事