芸人 バックン 語彙を増やす 秘訣
新しい言葉は携帯にメモ
表現上手の人を教材に!
パックン(コメディアン)
本名パトリック・ハーラン。1970年米コロラド州生まれ。ハーバード大学比較宗教学部卒業。93年来日、97年に吉田眞さんとお笑いコンビ「パックンマックン」結成。NHK「英語でしゃべらナイト」など多方面で活躍中。
日本語がペラペラ、難しい漢字も読めるお笑い芸人パックン。どうやって上達したのか、独自のトレーニング法を教えてもらった。
語彙を増やすために実践したのは…
日本人とアメリカ人のお笑いコンビ「パックンマックン」のパックン(本名パトリック・ハーランさん)と言えば、米ハーバード大学を卒業した異色のコメディアン。大学卒業後の1993年に来日して今年が滞日15年目。NHKの「英語でしゃべらナイト」などで流暢な日本語を披露しているが、語彙の豊富さは間違いなく普通の日本人以上だ。
会話はもちろん、漢字もへっちゃらなので新聞もスラスラ読めるし、慣用句などもお手のもの。お笑い芸人だから、「ヤバイ」「ギザ〜ス」などの若者言葉にも精通している。「(外国人にとって)日本語は難しい言語だと言われている? いや、ちょろいちょろい。朝飯前ですよ」と自信満々のパックン、いったいどうやって日本語の文法と語彙を身につけたのだろうか。
来日当初は、大学で使っている教科書を2年分友人から譲り受け、それを半年で丸暗記したという。教科書で文法をしっかり覚えるのと並行して、生の日本語に触れていった。「パンを買いに行くだけでも日本語を使うし、居酒屋で隣のおっさんに話しかけるだけでも日本語の勉強になった。そうやって覚えたフレーズをぶっつけ本番でどんどん使っていきました」とパックン。
語彙を増やすために実践したのがメモ。新しい単語と出合うと、必ずメモをする。昔はノートを常に持ち歩いてメモをしていたが、今は携帯電話のメモ欄を使っている。本や新聞を読んで新しい言葉に出合うと、すかさずメモ。友人や仕事仲間と話をしていて、気になる言葉が出てきたら会話を一時中断してでも「今何て言った? 何そのエンジョコウサイというのは? どんな字ですか?」と質問し、「ジョは助ける、サイは国際のサイですか、なるほど。意味はそういうことですか」と漢字と意味をメモする。基本的に単語は日本語で書き、意味は英語で書く。時間がなければ単語だけメモし、あとで辞書を引く。最近では、貞操観念、いちるの望み、特待生、糾える、古色蒼然など日本人顔負けの語彙もマスターしつつある。
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