大リーグ 松坂 打たれ5回で降板

レッドソックスの松坂大輔投手が5日、
ポストシーズン初マウンドとなる地区シリーズのエンゼルス戦に先発。
2-0とリードした2回に、四球と長短3安打を集中され3失点。
結局、5回2死一、三塁のピンチを招いたところで降板した。
96球3Kだった。1億ドルの真価を問われる一戦は、勝利投手になれずに終わった。

松坂は1回から得点圏に走者を背負う苦しい投球。速球は95マイルを記録していたが、制球がままならず四球と4番アンダーソンの右前打で2死一、三塁のピンチ。何とか5番イズトリスをスライダーで見送り三振に打ち取ったが、2回のピンチは乗り切れなかった。
味方打線の援護で先制の2点をもらった直後だったが、いきなり先頭打者を歩かせる悪いパターンに。松坂対策で起用された続く左の7番モラレスに右前打され無死一、三塁。2死を取ったが1番フィギンス、2番カブレラの連続適時二塁打で簡単に逆転を許した。
ヤンキース戦を抑えて東海岸ゴールデンタイムの午後8時半から全米中継された松坂のマウンド。地元ボストンでは4日夜のTVスポーツニュースや、5日付朝刊各紙は“DICE-K”一色だった。
ボストン・グローブ紙は『Time to shine(君が輝く番だ)』、『Matsuzaka in spotlight(松坂がスポットライトに)』などと大特集。ボストンヘラルド紙も『さあ、ダイスが転がるぞ』などと大見出し。まさにボストン市内は松坂デー。
地元の評価は新人として15勝を挙げたのは見事としながら、12敗、防御率4.40は今ひとつと微妙。さらに、日本時代やワールドベースボールクラシックなどの大舞台で活躍した実力と、8月以降3勝に終わった内容に対する不安が入り交じっていた。
ポストシーズンの成績次第で、大スターにもなれれば、大きなブーイングを浴びる両方の可能性を秘める。
フランコーナ監督がエンゼルス戦の第2戦抜擢した責任に応える投球ができれば、来季以降も松坂ブームは続き、なかなか正式決定しない来春のレッドソックス日本開幕戦構想の実現にも大きなはずみとなる。
「緊張するということはあまり経験がない」という松坂だが、それでも重圧は無視できない今季最大の大一番であることは間違いない。
女房役のバリテック捕手は、「松坂はいろんな課題を抱えて米国にやってきている。彼だって人間だ。いろんな調整もしなきゃならないし、ボールも違う、マウンドも違う、何もかも違う。その中で安定した仕事をしている。一番素晴らしいのはいい投球をしようと思い続けていることだ。制球が磨かれれば彼は圧倒的な投球ができる」と期待を寄せた。
松坂の言葉の壁が成績に影響していると指摘する声もいまだにある。
フランコーナ監督は、「彼は錬磨された投手で新人だが新人ではない。しかし、文化の違いの中に投げ込まれた選手でもある。彼はいつもハードルを抱えることになる。練習も違う。1-0や2-1で敗れるなど厳しい試合が続いたり、その意味では彼はいい仕事を続けている。前の登板から緩急をつけた投球に変えて成功しているから、願わくばきょうも…」と願いを込めた。
松坂はレッドソックスの新人投手としては5人目のポストシーズン登板。勝てば12年のヒュー・ベディデント投手以来95年ぶりの快挙となる。日本人投手としては野茂英雄投手(当時ドジャース)、吉井理人投手(当時メッツ)が地区シリーズとリーグ優勝決定シリーズに1度ずつ登板しているが、まだ勝ち星を挙げていない。
対するエンゼルスのソーシア監督。大リーグ一の策士は、「松坂はとても才能にあふれた投手だ。いろんな種類のカーブを投げるし、タイミングも変える。ユニークな投手だと思う。フォームも研究してあるし、足をからめて攻めたい。初対戦だけにビデオでじっくりやってきた」と、松坂崩しに自信が現実になっている。
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